2010年09月29日

留学と経済成長

韓国のLGが薄型液晶テレビで日本参入というニュースがあった。またしても、韓国企業の好調さを表すニュースである。しかも、今までのように低価格帯の商品ではなく、フルラインナップの10機種。LGが世界で力を付けて(現在LGの世界シェアは出荷台数ベースで13.2%、サムソンに次ぐ世界2位)、日本のお家芸である家電に真っ向勝負してくる格好だ。

日本企業に比べて、韓国企業(特にメーカー)がここまで元気な理由は何だろうか。
もう既にいろいろなところで語りつくされているが、仕事に直結する話なので、改めて考えてみようと思う。
確かによく言われるように、ウォン安の影響はあろう。
ただ、韓国企業の台頭は、今年に入ってからの話ではない。円高になる前から始まっていた。他にも理由はあるだろうか。

まずは、国家としての政策であることがある。
アジア通貨危機後、韓国企業は大規模な統廃合を実施した。自動車産業なら現代自動車、電子・半導体ならサムスンとLGというように。これにより、韓国企業は国内での競争で体力消耗することなく、国内では安心して収益を確保しながら、まっすぐ海外に視線を向けることが出来た。
一方日本は周知のように、自動車だけをとっても主要グループが6社、鉄鋼も4社、携帯電話も6社、といったように、国内だけでも熾烈な戦いとなる。しかも、その戦った結果、ガラパゴスとなって、海外では通用しない、というのが日本の現状である。

もう1つは、人材だろう。
アジア通貨危機以降、韓国企業はかなりの危機感を持って海外に進出しているが、海外に進出するには、グローバルに世界で通用する人材や製品・サービスが必要になる。そこで、サムソンやLGは、外国人登用を積極的に実施していると聞く。実際、サムソンには、経営層レベルまで日本人を登用している。海外の人材を登用することで、世界のベストプラクティスを短期間で入手し、技術水準を向上させたのではあろうか。
一方の日本人は、本社で日本人ばかりで固めるだけでなく、海外に進出したときにも、日本人で上層部を固めるぐらいである。ちなみに、最近は日本企業も現地の人材の登用を増やしているようだが。

また、サムソンでは、人材教育にかなりの力を注いでいると聞く。新入社員は、全員人材開発院という組織で数ヶ月間の研修を受け、企業理念からマナーまでみっちり教えられると聞いた。
韓国では留学生も多い。いまやアメリカのどこの語学学校に行っても、韓国人がかなりの割合を占めて集まっている。自分が2年前にアメリカのウィスコンシンに行った時も、さながら韓国に来てたみたいだった。今や韓国人留学生は、アメリカでは、インド・中国に次ぐ3番目の多さである。その数は、日本人の2倍。人口が1/3であることを考えれば、留学する比率はかなり高い。語学学校での留学のみならず、大学や大学院といったアメリカ教育の一番力を入れているところにも入り込んでいる。
外部人材の登用や留学により、世界の動向をつかみ、そこから自国の状況やどうすれば良いのかを、客観的な視点で見ることができる。

ここで、ふと考える。
国を上げての産業政策や人材育成というのは、もともと日本が取った手法ではないか。
韓国は、日本が昔作り上げたやり方に忠実に従っているだけで(サムソンの李会長も昔は早稲田で学んでいた)、もしかしたら変わったのは日本企業なのかもしれない。
posted by wph at 22:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。