2011年04月10日

コンサルタントはロジカルに情報を整理するだけでは足りない?!

コンサルタントの最大の役割としては、「ロジカルに情報を整理してクライアントに提示することで、納得し、行動してもらうことである」

私は今までそう思っていた。
しかし、今日のあるきっかけによって、私の考えは変わった。
結論だけを見れば、当たり前なのだが、そこにコンサルタントビジネスの本質がある気がする。


私はある団体に所属しており、その団体では実際にビジネスを起こすことを考えている。
そこで、ビジネスプラン立案に当たり、今日は10人ずつの2チームに分かれて、1時間ビジネスプランの検討を行い、その結果を相互に発表することになった。Aチームは、外資系のコンサルティング会社に勤める人が率いるチーム、Bチームは事業会社で働く人が率いるチームであった。

Aチームでは、事業アイディアのブレストから始まり、評価軸の選定、それから評価軸に沿って事業アイディアの絞込みを行った。
この進め方はコンサルタントの物事の考え方の定石であろう。私は、その進め方に非常に安心できた。結果的にも、皆が納得する進め方で、時間内に結論まで導けた。

一方、Bチームには、そのような進め方はしていなかった。
何がニーズなのか、何をやったらワクワクするのか、という視点から、喧々諤々とした議論をしていた。そして、時間内ぎりぎりになって1つのビジネスアイディアにたどり着いた。
私は、Bチームの進め方を見て、これでは行き当たりばったりだなと思った。

チーム内での打ち合わせの後、Aチーム、Bチームの代表者が結論についてのプレゼンを行った。今日はそこで時間切れとなってしまったため、各チームが最も後押しする1案を、次回のMTGまでにそれぞれ詳細検討して詰めてこよう、ということになった。

各案の詳細検討リーダーを募ったのだが、Aチームが出した案には、自分からリードして詳細検討しよう、と名乗り出るメンバーは居なかった。一方、Bチームの案には、数名の若手が次週までにやりたい!と名乗り出たのである。


この出来事から私はいくつかの重要な教訓を得た。

ロジカルに考えて結論を導くやり方は、確かに皆が納得できるものである。
しかし、それは納得以上のこと、つまりその先の行動には繋がりにくい、のだ。
ロジカルに導かれた答えは、理論によって生み出された答えであり、心の中から生み出された答えではない。
自分からリードして詳細検討するメンバーが出てこなかったこと、がその結果である。
一方で、ニーズや理念がきちんとあるアイディアには、共感する人がいたら、その人は力を貸して、具体的な行動にまで達成するだろう。

また、ロジカルに考えられた解は、一般的で無難な答えになってしまいがちである。
実際、Aチームの解も今まで何度も出てきた保守的なアイディアだった。
10個もの20個もの事業アイディアの中から、複数の基準にかけて絞り込まれるプロセスにおいて、飛び出たアイディアというのはどうしても丸められてしまっていた。


コンサルティングワークの仕事というのは、限られた時間でクライアントに納得してもらえう結論に到達するために、どうしてもAチームのようなロジカルなストーリー展開の構築に終始してしまう傾向がある。
しかし、我々の役割は、「情報をロジカルに分かりやすく整理する」だけでは足りないのだ。
クライアントに行動に移ってもらうためには、論理だけでなく、感情にも働きかける必要がある。
そのためには、キーパーソンなどクライアントを巻き込んだ自由な議論(特にプロジェクト初期のコンセプトや理念などの作成時)、クライアント自ら考えて答えを導かせるような進め方の導入、クライアントからの情報情報発信による意識醸成など、クライアント個々人に対するアプローチがより重要になる。

ロジックは「脳」を動かすが、自分で考えた理念は「心」を動かす、のである。
posted by wph at 18:52 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。